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情報誌

巻頭言(3)

≪第30号≫「スウェーデンのエコ生活から」
   レーナ・リンダル
(持続可能なスウェーデン協会日本代表)

東京を拠点にしながら時々1ヶ月ほどスウェーデンに滞在する。滞在中は一市民としてスウェーデンの消費生活を体験できる。両国の間を行ったり来たりしているといろいろ気づく。スウェーデンの人参が東京のスーパーで売っている人参に比べて美味しく、生でかじる。そり変わり東京は生のほうれん草が安くたくさん買える。気候の厳しいスウェーデンは冷凍ほうれん草がメインで少し寂しい。

エコ生活はスウェーデンの方が簡単だと感じる。エコマークつきの商品や認定マークつきの有機食品が多いので簡単に見つけることかできる。大手スーパーはそれぞれのエコ商品シリーズを開発して競争している。使用済みのペッとボトルとアルミ缶はスーパーにもって行き、機械に入れるとデポジット料に相当する金額のレシートが出てきて、レジで買物する時に割引券として利用できる。スウェーデンではごく当たり前のことなので、日本ではなぜできないか不思議に思っている。

スウェーデンでは、食品と温暖化問題の関係が議論されている。生産の場から消費者に届くまで、温暖化ガスの排出がより少ない食料品を消費者が選ぶことができるよう「気候マーク」の開発プロジェクトも進んでいる。大手メーカーの一部や行政も参加し、幅広く相談するプロセスを行なうので多くの意見をまとめるのが大変で、導入は当初の予定より遅れそうだ。しかし、マークがなくても気候に負担をかけない食べ方をしたい消費者へのアドバイスがある。それは、
(1)食べ残しをしない
(2)赤い肉を少なめに食べる
(3)旬の食料を使う
(4)飛行機で運ばれた食べ物を選ばない
(5)環境・動物保護の明確なルールに沿って生産され認定された食品を選ぶ
日本でも参考にできるルールだ。

「気候マーク」プロジェクト英文情報 http://www.krav.se/sv/Klimat/klimat/In-English/

以上



≪第29号≫「環日本海地域の環境先端県を目指して」
   石井隆一
(富山知事)

富山県は、立山連峰や蜃気楼が見られる不思議の海富山湾など、豊かな水と緑に恵まれています。県では、こうした素晴らしい環境を将来に引き継ぐため努力しており、全国に先駆けた取り組みも数多く行なっています。

まず、今年4月から全国で初めて県内全域のスーパーマーケット等でレジ袋の無料配布が取り止められました。県内では10年以上前から消費者団体などがマイバッグ運動を進めてきましたが、持参率は近年伸び悩んでいました。そこで、昨年6月に事業者、消費者団体、行政の三者で協議会を設置し、今や「待ったなし」の地球温暖化対策を推進するためには私たちの生活スタイルの見直しが必要との共通認識のもと、レジ袋の無料配布取り止めを決定しました。シンポジウムや啓発に努めた結果、幸い開始後の混乱もなく、4月の持参率も93%と予想以上に高くなりまた。4月以降、実施店舗も確実に増えています。

また、エコライフスタイルを普及するため、国のチーム・マイナス6%に富山オリジナルを加えた環境にやさしい10の取り組みを実践する「とやまエコライフ・アクト10宣言」キャンペーンを展開しています。これまで、目標を大きく上回る7万人を超える宣言(人口比7%)があり、全国トップクラスの取り組みとなっています。

さらに、「森づくり条例」の制定や「水と緑の森づくり税」の導入による県民参加の森づくり、地方都市で初めて開催された「日中韓三カ国環境大臣会合」と同時開催した日中寒露の産学官32機関の参加による「北東アジア環境パートナーフォーラム」なども進めています。自然が豊かで美しく、多彩な歴史・文化にも恵まれた富山県。今後とも、「環日本海地域の環境先端県」を目指して、面民に皆さんとともに、しっかり取り組んでまいります。

以上



≪第28号≫「夢は「生活環境力」の育成」
   佐々木定冶
(特定非営利活動法人えどがわエコセンター事務局長)

「NPO法人えどがわエコセンター」は、区民・学校・事業者・行政とのパートナーシップのもと、環境について主体的に考え、地球環境への負荷を減らすアイディアを出し合い活動することを旨として設立しました。

スタートから4年経ちましたが、本年度の事業は
(1)地球温暖化防止とごみ減量に取り組む「もったいない運動えどがわ」の推進
(2)「環境生活力」の向上
(3)環境学習活動の推進
(4)水と緑豊かな全環境の保全と活用
といった柱のもとで展開されました。

(3)環境学習活動としては、学校での環境学習活動を支援する「グリーンプラン推進校」事業があります。この制度は、年間を通じさまざまな環境テーマに取り組む学校を、経費や人材の面でエコセンターが具体的にサポートし、成果を発表していただくものです。

この推進校を中心に、区と教育委員会の支援を得て、小学生を対象とした「キッズ・マイバッグコンクール」を開催しました。家庭科単元「ぬって!使って!楽しい生活」でマイバッグ製作に取り組んだのです。子どもたちが自ら作ったバッグを持ち、調理実習の食材を学区内の商店街に「買い」求め、「調理」し、「食べる」といった一連の過程を通して、「資源とエネルギー消費の学習」を展開しました。
300点を超える作品は、3月の「もったいない運動えどがわ区民大会」でも公開し大好評でした。

私は、望ましい「消費生活」のスタイルを築く事は、人間として「環境に配慮した生き方」をすることに繋がると考えます。こうした考え方を学校の「環境教育」の基本に捉えることで、一人ひとりの児童に「生活環境力」が豊かに涵養(かんよう)されることを夢見ながら日々努力を重ねています。

以上



≪第27号≫「森を守るということ」
   上治堂司
(高知県馬路村村長)

日本は、国土の67%が森林の「森の国」。
森は、水を育み、酸素を供給してくれる「かけがえのない存在」。都会に暮らしても山村に暮らしても、変わらない森の恩恵。先人たちがその手で一本一本丁寧に植えた人工林、その血と汗の結晶を、半世紀がたった今、私たちは引き継いでいます。
時代の変遷と共に、森林・林業を取り巻く環境も大きく変わり、輸入してきた外材やプラスティックなど別の素材が使われ、日本の森の木は需要減退・価格低下、採算が合わず手入れの行き届かない森林が増えています。

97%が森林の馬路村。温暖多雨な気候が「魚梁瀬杉」を育み、古くは大阪城・江戸城にも使われ、明治40年には全国に先駆けて森林鉄道が走った林業の村です。それゆえに、厳しさは一層のものがありますが、だからこそ、地域にある資源「森」の再生が私の使命なのです。平成10年に村長を就任し、第三セクター(株)エコアス馬路村を立ち上げ、どんぐり1個から住宅まで、「森の仕事まるごと販売」に取り組んでいます。消費者の視点を第一に、分かりやすい情報を消費者にお届けしようと、高知市に馬路村産木材で「森の情報館」を立て、柱や板など各部材には一本単価・一枚単価の値段を表示し、木の家を身近に感じていただく提案を試みています。

また、丸棒の土木素材としての商品開発、天然木の木目を活かした工芸品、木のお皿やカバンなど気持ちがワクワクする商品の開発と販売に一生懸命に取り組んでいます。
今の日本の森は、「使われないことによる危機」を迎えています。

是非、皆さんに、手にとってみて使っていただける木の商品をお届けしたい。それが、小さな村でもできる「森を守るということ」になると同じ、頑張ります。

以上



≪第26号≫「3Rな暮らし方のすすめ」
   中井八千代
(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局)

まず、リデュース(発生抑制)。ごみを出さないためには、ごみになるものを買わない、貰わないを徹底することです。ごみにならない、なっても環境負荷の少ないものづくりに変えていく必要があります。生産段階で、再利用を考慮した、環境への負荷が少ない製品づくりを進めるためには、不要になった製品の再利用、再生、あるいは適正処理を行なう責任を製造者に課す拡大生産者責任(EPR)の確立が欠かせません。

次のリユース(再使用)。私たちは、家や車、介護用品にいたるまで、ものを「所有」しながら暮らしています。ものは、壊れたり、不要になるとごみになります。建売住宅は30年で経て替え、多量の廃材が排出されます。もし、住み替え住宅やレンタカー、レンタル・リース介護用品だったら? 不要になったら戻し、再び、他の人に貸し出されます。物の機能を利用した後は戻す循環型消費は、リースのコピー機、レンタルの育児用品、貸衣装などで実現しています。

リユースを前提に、設計段階から丈夫な素材、形状が選ばれ、傷む部分のみカートリッジ方式で交換できる長寿命のものに変わっていきます。私たちが欲しいものは、ものではなく、ものの機能であるはず。「ものの所有をやめて、機能を買って使う」新しい生活が、ものの生産のあり方を変え、持続可能な社会を作ります。

さて、誰でも今すぐできる「発生抑制」として、つい貰ってしまうレジ袋を断ることから始めませんか。
10月5日、「レジ袋NOデー全国キャンペーン」が始まります。あなたも、前に貰ったレジ袋やコンパクトなマイバッグをかばんの隅に入れて出かけましょう。

以上



≪第25号≫「成長しながら生きる」
   アキコ・フリッド
(国際環境保護団体グリーンピース遺伝子組換え問題キャンペーン所属)

スウェーデンで切らして14年が経った。この間、一市民としてたくさんのことを学び、一消費者として成長したと思う。市民運動とは無縁だった私が行動する人に変わったのは、11年前、農薬会社が生物の遺伝子を組み換えたことを知ったからだった。あれからたくさん行動した。そして、スウェーデンも変わっていった。

引越しをした当初、私の住む町で有機野菜や食品を見つけるのはほとんど不可能だった。でも今は、無農薬・有機食品や地元で育った旬の野菜を頻繁にみるようになった。コーヒー、チョコレート、バナナなど、スウェーデンでは栽培できない原料のものにはフェアトレード認証がついている。それらもほとんどの場合、無農薬・有機栽培だ。

地球は1つ。丸い地球。私たち1人ひとりの行動は地球全体に影響を及ぼす。このことと本気で考える時が来ている。バナナ栽培ができない国の人がバナナを食べる。バナナを栽培してくれる人や農地が、農薬で病気にならないように考えることも、私たち買い手の責任だと思う。思いやりをもって行動すると、いろいろなことが見えてくる。

行動することで人間は成長する。自分の行動に責任を持つことで、人間はさらに成長する。他人任せでは人は成長しないし、他人任せでは社会も成長しない。ただし、役割分担は重要だ。適材適所としい言葉があるが、自分は何が得意なのか、自分にはどんな役割があっているのか、それを知り、実践することで、物事は上手くいくようになる。

成長しながら生きることを知ると、人生がより味わい深くなってくる。このことをまず私は多くの人に知ってもらいたい。

以上



≪第24号≫「不都合な生活?」
   古林わか子
(武蔵野市環境政策専門委員)

先日見た映画「不都合な真実」で印象に残っているのは、アル・ゴア氏の講演を聞く聴衆の顔だ。皮肉を込めて迫力充分に語られる重い事実を、まるで冒険談を聞いているかのように目を輝かせて聞いていた。彼らのうち何人が自宅に帰って環境配慮に励むのかは疑問だが、大切なのは「気づくきっかけ」だと思う。

温暖化防止を訴えるのが私の仕事だが、地球温暖化、持続可能、京都議定書、環境基本計画・・・この重い言葉にめげていた。見ただけで胸が一杯になりそうな難しげな漢字熟語。その無効には苦行僧のような「不都合な」生活が待っていそうで、できたら知らないで済ませたい、と思う人が多いに違いないと。

そんな中、巡り合ったのが地球温暖化防止・省エネ連絡会の省エネ伝道師プロジェクトだった。小さな勉強会で出会ったセミナーは市の共催事業となり、環境団体、老壮会、コミュニティセンター等へとネットワークがつながり、5日会の開催で200人以上が参加した。ひたむきに訴える若い伝道師の地球温暖化や省エネの話を、参加者は真剣に受け止め、「30年前の生活に戻れないが、今の生活にひと工夫加えて省エネすることならできる。それが温暖化防止につながるとわかった」と好評だった。その後、何人かの参加者に「省エネタブを買ったよ」と報告された。環境政策課ではエコワット(簡易型電力量表示器)の貸し出し事業を開始、測定実験を楽しむ市民が増えた。伝道師が、「気づくきっかけ」をくれたと感謝し、また期待もしている。

この時代「暖房便座やウォッシュレットをやめろ!」とは言わない。が、「寝る前や外出時には必ず電源を切ろう!」と伝えたい。

以上



≪第23号≫「森を破壊しない選択〜フェアウッド・コンシューマーになろう」
   中澤健一
(国際環境NGO FoE Japan理事、森林プログラムディレクター)

500枚入り290円の格安コピー用紙、手ごろな天然木ダイニングテーブル、堅くて腐りにくいガーデニング木材。こうした製品を店頭で目にしませんか?
格安のコピー用紙の多くは、インドネシア製や中国製です。原料として使われていることが多く、大規模に皆伐され、多くの野生動植物や地元住民を苦しめている恐れがあります。

手頃な値段の天然木家具は、多くの場合タモやナラ、パインの集成材でできています。タモやナラの森林は極東の一部にしか存在せず、そこに住むトラやヒョウなどが絶滅の危機に瀕しています。またパインを産出するシベリアのタイガは、伐採によって凍土が融解し、(強力な温室効果ガスである)メタンガスが放出されたり、伐採業者の火の不始末などが引き起こす大規模な森林火災により、炭素の放出源となって、地球温暖化を促進しています。

ウッドデッキなどのガーデニング木材として人気なのが、堅くて傷つきにくいウリンや、シロアリや侵食に強いレッドシダー(ベイスギ)です。ウリンはインドネシアで伐採が厳しく制限されていて、違法伐採の恐れが非常に高いです。レッドシダーは、カナダの樹齢数百年から千年以上の屋久島のような自然豊かな巨木の森から産出されたものです。

原材料や生産国、樹種はよく確かめて選びましょう。できればお店の人に古紙100%や、国産の杉や檜を使った製品、FSCの森林認証マークの入った製品を扱ってくれるように頼んでみてください。

以上



≪第22号≫「鞄の中にはマイバッグ」
   庄司 元
(3R活動推進フォーラム事務局 担当理事)

マイバッグの持参は、ここ数年、生活の中に着実に浸透してきた。だが、レジ袋をもらわないことで、マイバッグ持参の目的が達せられるわけではない。「レジ袋、ノー!」だけで、ごみが大きく減るものではない。
家庭ごみのかなりの部分は、容器・包装ごみである。

このごみの発生源をたどると、日々の買物に行き着く。
マイバッグ持参は、レジ袋に象徴される容器・包装ごみを少しでも減らそうとする「意識」の体現であり、その意識を買物の場に携行することにある。

容器・包装は、商品保護に不可欠である反面、必要以上の手間と材料が使われているものが少なくない。必要最小限の容器・包装商品を製造・販売することは、それが製造・販売のコスト減に繋がる限り、事業者にとってもメリットはある。しかし、そうしないのは安全性などの点で、商品にマイナスイメージを与える恐れがあるからである。消費者がそうした必要最小限の容器・包装商品に対しプラス評価をするようになれば、状況は変わる。マイバッグ持参、「レジ袋、ノー」の意思表示は、そうした商品にプラス評価をする消費者の存在を、事業者に伝えることである。これが大きくなれば、容器・包装を小さくすることに対する事業者の不安は消えていく。こうした変化は、容器包装リサイクル法見直し審議の中で、事業者側からレジ袋の有料化が主張されたことにも如実にも表れている。鞄の中に小さなマイバッグも、大きな力を発揮する。

以上



≪第21号≫「お茶の話」
   天笠啓祐
(ジャーナリスト)

今ペットボトル入りのお茶が増え、茶葉を用いない人が増えています。自動販売機などで手軽に入手できるこのお茶ですが、多くが中国産の茶葉を用い、中身の原価はわずか5〜10円程度のものが大半です。農薬がたっぷりかかった茶葉が用いられている可能性が高い上に、茶葉は使用前には洗いません。しかも緑茶抽出物や香料、酸化防止剤などが加えられたものもあり、それらはお茶もどきといってよいと思います。

このボトル入りのお茶ですが、最初はあまり売れなかったようですが、香料を入れたものが登場して爆発的に売れるようになりました。いまの人々の味覚はおかしくなっているようです。多くの人が飲むようになると、今度は添加物を控えた健康を売りものにしたものも登場しました。

私の家では、農薬を使わない茶葉を用い、飲み終わったあと乾燥させて、消臭剤替わりに部屋のあちこちに置いています。役割を終えた茶葉は、他のなまものと一緒にコンポストに入れて循環させています。ペットボトル入りではこの茶葉のリサイクルができません。確かにボトル入りは便利かもしれません。私の口癖に「便利なものには毒がある」と言葉がありますが、その典型的なものといえるかもしれません。

以上



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